創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
Entries
ちょっとしたお知らせ。
えー、前々からの予定があったのですが、しばらく家を留守にすることになりました。その間、多分一週間強程度でしょうが、更新ができなくなります。ただでさえ遅い更新が更に遅くなるのは心苦しいのですが、ネタだけは暖めておくので皆様どうぞご辛抱の程を……では、行ってまいりますノシ...
魔法少年ロジカルなのは9-1(3)
すぐにあさっての方向を向いて「私にはそんな趣味はない、私にはそんな趣味はない」とぶつぶつ繰り返す愛が少し気になるが、なのはにはそれ以上にかごの中身のほうが重要だった。しゃがんでかごを覗き込む。「……あ」いた。足にキプスをはめた白いネコが丸まっている。「ネコちゃん?」「……」呼びかけるとネコはすっと顔を上げた。人間であるなのはにはネコの美醜は分からないが、少なくとも可愛くはある、と思う。しかしその顔に似...
魔法少年ロジカルなのは9-1(2)
苦笑交じりにたしなめられて、なのははしゅんとおとなしくなる。だが興奮は冷めやらない。なのはがか弱い鳴き声に気づきベンチ下を覗き込んで、そこに衰弱したネコを発見したのは昨日のことだ。なのははその後すぐにネコを抱きかかえてこの動物病院に突撃した。お金などもっていなかったが、愛はなのはの必死さに答えてネコを治療した。右前足骨折、打撲と、それが原因で身動きが取れなくなった末の衰弱だった。幸い怪我自体は大し...
魔法少年ロジカルなのは9-1(1)
「さよーならー」「はい、さようなら」笑顔で手を振る先生に元気に手を振り返して高町なのはは教室を出た。小さな足をちょこちょこ交差させ、廊下を走ってはいけないという校則を破らない程度の早足で下駄箱にたどり着く。校舎はかなり広いため入学当初は迷ったものだが、入学から一ヶ月たった今となってはいかな六歳の幼い頭脳でも迷うことはない。割り当てられたスペースは正面から見て右の最上段。わずかばかり背が足りなかった...
魔法少年ロジカルなのは8-4(7)
その言葉が嘘か本当か、それはなのは自身にもわからなかった。なのはを動かしているのは、彼にしては非常に珍しいことに純粋な感情だった。ここでアルフを殺すことに意味はないとわかっていながら、むしろデメリットの方が多いとわかっていながら、このまま行ってしまってもいいかなという惰性がある。少しずつ、少しずつ腕に力を込めていく。(くる……し……やめ……て……)アルフの口からプレシアに殺されかけたときにももれなかった弱...
魔法少年ロジカルなのは8-4(6)
何をだい、と問い返すより早く、目にも留まらぬ速さで伸びたなのはの右腕が檻の間を抜けアルフの首を締め上げた。(げふっ……!?)「そんな都合のいい話に私がうなずくとでも思ってた? ねえ、思ってたのかな?」(あく、か、は……)どこからそんな力が出ているのか、大型犬の体格を持つアルフを細腕一本で持ち上げる。苦しみに悶えるアルフが体を暴れさせてもびくともしない。窒息より先に首の骨を折らんとばかりに、まるで万力の...
魔法少年ロジカルなのは8-4(5)
(ダピエルトリシン系強化薬はもともと軍用に開発されたもので、効果は魔導師としての能力を全面的に強化するのに加えて身体機能も増大、開発当初はまさに文字通り魔法の薬、なんて言われたりもしたんだけど……この薬には『使用者の凶暴化、および制限時間以上の使用による致死レベルの身体的負担』っていう致命的な欠陥があって、結局正式採用は見送られたっていう経緯があるんだ)「致死レベルって……使いっぱなしだと死ぬってこと...
魔法少年ロジカルなのは8-4(4)
「嘘は嘘をつくはずがないというタイミングでつくのが一番効果的なんだけどね。個人的にあなたにそんな小細工ができるとは思えないけど、話を聞き終わってから判断するよ」一番嘘をつくのはあんただろう、とアルフは皮肉りたくなるのを胸中で抑えた。ここでなのはの機嫌を損ねるのは得策ではない。なるべく下手に出なければと自分に言い聞かせる。「じゃ、まずは事情を聞かせて。あなたのご主人様、フェイトちゃんが何でジュエルシ...
魔法少年ロジカルなのは8-4(3)
「面白かったけど話がけっこう重かったわね。なんか疲れちゃった」「そうだね。一回休んでお茶でも飲もうか」「ごめん、わたしあの犬と話すことがあるからちょっと外すね」「え~? せっかくおいしいお茶菓子あるのに」「ごめんね。三十分くらいでもどるから、私の分もとっておいてくれると嬉しいな」「でも……」なおも引きとめようとするアリサの肩にすずかがポンと手を置いた。「しかたないよ。二人で話さなきゃいけないときもあ...