創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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魔法少年ロジカルなのは9-4(5)
「もう駄目だって、死んでるよ、これ」決定打だった。この数ヶ月の積み重ねを全て打ち壊し嘲笑うその言葉は、なのはの理性をたやすく粉砕した。「うるさい、どけ……!!」脳髄が焼け付くほどの感情の波が溢れ出し、全ての感情を押し流していく。寄りどころを失った悲しみを喰らい、うかつすぎた自分への後悔を喰らい、どす黒い怪物が心を埋め尽くす。その時なのはは初めて怒りという感情の本当の意味を知った。育ちきった怒りは最早...
魔法少年ロジカルなのは9-4(4)
しかしなのはは絶望しなかった。だってまだ息をしている。自分のにわか知識ではどうしようもなくても、先生に診てもらえばまだ。そうでも思わなければ今度こそ心が折れてしまいそうだった。その様子を見ていた少年達はしばらく怪訝な顔をしていたが、やがて顔を青くしだした。「お、おい、こんなこと学校にばらされたりしたらやばいぞ!?」「どうすんだよ佐藤!」「落ち着けよ。このガキの口止めをすりゃいいだろ」そしてネコを抱...
魔法少年ロジカルなのは9-4(3)
声はいつの間にか聞こえなくなっていた。逃げてしまったのかもしれない。だがまだ急いで追えば間に合うかも知れないと、なのはは更に足を急がせて、そこにたどり着いた。「……え」あの子は白い毛並みを酷く汚されて横たわっていた。見覚えのある四人の少年が周りを取り囲み、にやにやと笑いながらそれを見下ろしている。一人の手には、金属バット。先端は赤い液体に汚れていた。「おい、こいつ動かなくなったぞ」「何やってんだよ斉...