創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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魔法少年ロジカルなのは10-1(7)
さしものフェイトもこの弾幕を全て避けきることは不可能だった。数発の射撃が直撃し動きが鈍ったその瞬間、なのはの魔力弾が次々に襲いかかった。(今だ、全員全力射撃!)(了解!) 武装隊がここぞとばかりに直射魔法を乱射する。その圧力、火力はなのはの砲撃に匹敵するものだった。フェイトは機動用の魔力を防御に傾けた。「ぐぅ!」 視界が全て爆煙に遮られる。バリアがきしみを上げて押しつぶされそうになる。「……ふ、は...
魔法少年ロジカルなのは10-1(6)
(……無理に戦闘をしようとしないで援護をできるかぎり利用するようにしてくれ。それにユーノを君の補助に回す。これでいいか?)(異論はないよ)(え、ちょ、ま) 包囲網の中を黄色の魔力光が彗星のように飛び交っていた。武装隊員達は高度な連携でなんとかフェイトを包囲網の中に捕らえ続けているが、その拮抗は非常に危うい物だ。フェイトは隙あらば包囲の穴を抜けようとし、そこを埋めるように隊員が動けば対象点を攻め立てる...
魔法少年ロジカルなのは10-1(5)
幾多の犯罪者を捕らえてきたこの連携を、おそい、とフェイトは笑った。ドン、という加速が再びフェイトの体を真横にかき消す。その一瞬後に形成されたバインドは対象を失って魔力に帰した。「なんつー早さだ……」 あっけなくバインドを抜けられた隊員が、思わずそんな感想を漏らす。彼はこの仕事について七年だが、こんな機動を見たのは教導を受けた時だけだった。(まずいね)(ああ。正直なところここまで強化されるとは……かな...
魔法少年ロジカルなのは10-1(4)
クロノに諭され、アルフは一瞬悔しげに顔を歪めたが、即座に意識を切り替えて身を下げた。すでに言葉を交わす時間は過ぎた。今自分がすべきなのはフェイトを元に戻すための切り札を守ることだ。 クロノと二人の隊員はデバイスをフェイトに向ける。周囲に散開して距離を詰めていた部隊も包囲を完成させた。 フェイトは目線だけであたりをちらりと見回す。自分を取り囲む状況を正確に理解したのだろう。だがそれでも直、その視線は...
魔法少年ロジカルなのは10-1(3)
アルフを抱えながらもなのはは危なげなく着陸し、その両側にクロノ達が降り立つ。やはりフェイトは何をするわけでもなく、ただ舐めるような視線をなのはに向け続けてくる。「ありがとう」 その場に似つかわしくない言葉が唐突にフェイトの口から放たれた。「わざわざ貴方の方から出向いてくれるなんて、手間が省けたよ」「気にしないでいいよ。こっちも貴方に用があったから」「そう? だったら私たち両想いだね。何人か余計な...
魔法少年ロジカルなのは10-1(2)
―――――――――――――――――――――――――――「……来た」 夕日と夜が混ざった空を数人の魔導師がまとまってこちらに飛んでくる。距離は一キロ程だろう。その中でも目立つ桃色の魔力光は間違いなくあの子。 ぎりと無意識に歯を食いしばる。悔しさや嫉妬、羨望と怒り。そんな感情がうねり混ざって熱くなった頭を、氷のような自己嫌悪で冷やす。心が激しく痛むが、その痛みこそが心を研ぎ澄ませてくれるだろう。私は母さんのための剣だ。ただ強く鋭...
魔法少年ロジカルなのは10-1(1)
(そろそろ転移が確認された地点だ。奇襲があるかも知れない、警戒してくれ)(了解) なのはは簡潔に返答し、真横のアルフを見た。風切り音がうるさいが、これだけ近ければ念話を使う必要もない。「今の聞いてたよね。あの子の反応が近くに来たらお願いするよ」「それは分かったけど……でも多分、奇襲はないと思うよ」「……どうして?」「まだラインがつながってるから感情も流れてくるんだ。フェイトはあんたとの決着をつけたがっ...
魔法少年ロジカルなのは9-6(7)
その視線はアルフの中に対抗心を生んだが、精神論でどうこうできるほど疲労は軽くなかった。見る見るうちにスピードが落ち、やがてなのはと併行することもできなくなる。 それでも意地を張り続けるアルフに、なのはは軽くため息をついた。「捕まって」「え?」 思わず顔を上げたアルフの目に映ったのは、不本意そうな表情で手を差し出してくるなのはの姿だった。 何が起こったか理解できず、アルフはただ目を丸くする。しばら...
更新サイカイ
およそ半年ぶりの更新再開。お待ちしてくださった方は本当にありがとうございます。このたびの更新断絶ですが、原因は私の精神的状況でした。要するにめんどくs(ryまぁさすがに理由はそれだけではなく、単純にロジカルなのはの先が進まなかった、というのがありました。個人的にこれほどの長編を長い期間続けたことがなかったので、後半になるにつれ難産が続きました。で、このままではあかんと思い、しばらくの間ニコニコに動...