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魔法少年ロジカルなのは3-1(5)


「……あれ? なんか分からないけどすっごく嬉しくなってきた」
「はぁ? なにそれ、意味分かんないんだけど」
「蹴り飛ばされてお湯を頭からかぶったのに嬉しい……まさかなのはちゃんってM!?」
「なんがMかは分からないけどとりあえず否定しておくからね」

なのはの言葉など馬耳東風といった様子ですずかは脳内会話を進行させていく。「わ、若い身空で……でも大丈夫。わたしなのはちゃんが望むならSにだってなれる!」とかなんとか。
実は年齢詐称しているんじゃないかと思うほどの耳年増ぶりだ。アリサもなのはも全く理解できないという顔をしていやんいやんと悶えるすずかを見ていた。こちらが小学三年生として相応の反応である。

「す、すずか? お~い」
「ふふふ……ろうそくがいいのかな、それとも鞭? あ、その前にちゃんと縛ってあげないとね……」
「だめだこりゃ……」

アリサは正気を確かめるためにすずかの目の前で手を振ってみたが反応がない。このまま外に出たら周りからかわいそうな目線を向けられて「ねーねーママ、あの人なんか変だよ?」「しっ! 見ちゃいけません!」的なやり取りをかわされることは確実だ。
アリサは友達として行動をともにしてきた経験から、時間以外に解決の道はないと判断した。
くだらないおしゃべりに混ざって悪乗りのも楽しいが、今日のアリサには一応それなりの目的がある。というかすずかも同じような目的を持って今日のお茶会を開いたはずなのだが。記憶の深遠に叩き込まれているのだろうか。
せめて自分だけでもと、アリサは本題を切り出した。

「ところでなのは、あんた何か悩みがあるんじゃないの?」
「え?」
「最近考え事とかしてる時が多いし……」

念話中のことだった。頭の中ではユーノと会話をしているが、外から見ればボーっとしているだけに見える。
突然の問いになのはは戸惑った。

「えと……」
「悩み事があるなら話して。私たちは友達でしょ」

茶化すこともごまかすこともできそうな雰囲気ではなかった。
真剣モードのアリサには相手も真剣になってしまう不思議な力がある。社長業を勤める両親の血筋なのかもしれない。
なのはは逡巡した。友達として包み隠さず全てを伝えるのか、友達として真実をぼやかすのか。
逡巡した末……

「……ううん、なんでもないよ。心配してくれてありがと」

後者を選択した。

「べ、別に心配したわけじゃないわよ! だた隠し事されてるのが気に入らないだけ」
「あれ? 私には『なのはが心配だから話を聞きたい』って言って……」

そっぽを向いたアリサに、いつの間にかいつもの状態に戻っていたすずかが横槍を入れる。

「す、すずか!? あんたは余計なところで復活しないで!!」
「でもなのはちゃん、何かあったらすぐに言ってね? 私たちにできることなら……ううん、できないことでも力になるから」
「うん、二人とも頼りにしてる」

照れ隠しのようにアリサが紅茶を飲み干すのを見てなのはは微笑んだ。
普段は散々好き勝手にしていても、これという時は決して欠かさない気遣いが純粋に嬉しかった。
だからこそ打ち明けられない。絶対に乱されるわけにはいかない。

決意を新たにしたなのはの頭を、唐突にあの気配がよぎった。

「っ」

近い。よりにもよって月村邸の敷地内だった。
暴走は時間の問題だろう。逃げるわけにはいかない。
なのははポケットの中のレイジングハートを握り締め、戦いに赴くことなどおくびにも出さず席を立つ。

「ごめん。ちょっとユーノ君探すついでに外の空気吸ってくるね」

ただ、親友の思いを不本意とはいえ裏切っているという自覚が、少し心に痛かった。





――――――――――――――――――――――――――――――





気配の発信源である中庭ではすでに見覚えのある小動物が待機していた。ぼろぼろの姿で恨みがましい視線をぶつけてくる。
戦う前から満身創痍っぽい。

「なんかぼろぼろだねユーノくん」
(敵陣の真ん中に無理やり放り出すみたいな真似しておいてその台詞はないと思うよ流石に)
「いや、ユーノ君って意外とすばしこいから逃げ切れると思ってた」

その台詞にユーノは目をそらす。

(ふっ……男には例え傷ついても成し遂げなければならないことがあるのさ)
「包み隠さず言うと?」
(メイドさんのパンツは白でした)
「ねえ、『最低』以上に人を貶める単語知らない?」

答えは返ってこなかった。変わりにユーノを中心に見慣れた魔法陣が浮かぶ。
これが現れた後はいつもあたりが不思議空間に早変わりするのだ。
ユーノ曰く、これは封時結界といい、結界内に存在する物体の時間軸をずらす(というよりは時間因子を一時的に固定する)ことによって通常空間と擬似物理的に遮断する魔法だそうだ。
要約するとターゲット以外はなんの関係もないので好き勝手にできる空間を作る、ということ。

(結界展開完了。これで周りに被害は及ばないよ)
「ワールドカップも真っ青のスルーだね」

言いたいことは山ほどあったがひとまずレイジングハートを戦闘モードに切り替え、バリアジャケットを展開する。

「それじゃ、封印に行こうか」
(まだ本格的に暴走はしてないみたいだけど気をつけてね。何があるか分からない)
「大丈夫だよ。そういう時はユーノ君を盾にするから」
(せめて僕がいないところで言ってよ!!)

冗談だよというなのはの笑顔に寒気を覚えずにはいられないユーノである。
そしてなのははジュエルシードの気配にむかって木が生い茂る庭の奥に進んでいった。

「最初は化け物で、次は犬。この前は植物か……今度はなんだと思う?」
(う~ん、森の中だから、また植物とか)
「だったら楽なんだけど。一度戦った相手は対処しやすいし」
(なのはは強いからね、相手がなんだろうと油断しなければ勝てると思うよ)

そんな会話を交わしながら色々な場合を想定してプランを練っておく。
程なくしてその答えは二人の前に現れた。

「猫だ」
(猫だね)

猫だった。つぶらな瞳に丸っこい体つきの子猫だった。巨大な。

「大きいね」
(大きいねぇ)

おおよそ子猫の形容詞としては不自然な単語であるが、その子猫は巨大だった。
地上最大の哺乳類、アフリカゾウの二倍はある。通常こんな巨大な体では重力に押しつぶされるはずなのだが、恐るべきは魔法の力といったところか。
しかしジュエルシードは比較的安定しているようで、巨大な子猫は巨大なだけで特に危険はなかった。初めて積極的に封印しようと思ったのに、ものの見事に拍子抜けだ。

「……封印、さっさとしちゃおうか」
(そうだね)
「猫を攻撃するのは……嫌なんだけど」

今まで犬も人間も容赦なく封印してきた彼には似つかわしくない台詞を言いながら、レイジングハートを猫に向ける。
ユーノが(猫、好きなの?)と問うと、

「好きだった、かな。今は逆。特に子猫は……ね」

少しニヒルに笑いながらつぶやくように答えた。
続けて理由も聞こうとしたユーノに、これ以上立ち入るなと言いたいのか、なのはは封印用の魔力を収束させる。

「シリアル14・ふうい……」

次の瞬間、子猫に直撃したのは桜色の魔力の奔流ではなく、鋭く切り裂くような雷撃だった。
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