創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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魔法少年ロジカルなのは5-1(3)
授業も終わり、なのははかばんの中に教科書やノートを詰めていった。普段は手早く片付けてアリサたちと帰るのだが、今日はその手の動きも遅い。かばんを背負ったのは教室の中もまばらになった頃だった。
先に帰る準備を終えたすずかが教室を出る前に振り返った。
「じゃあなのはちゃん、ごめんね。今日は私たちお稽古の日だから」
「夜遅くまでなんだよね。いってらっしゃい、がんばってね」
「……」
アリサは無言で去っていってしまう。そんなアリサの様子を苦笑しながら見送るすずか。
「アリサちゃん……もう。大丈夫だからね、なのはちゃん」
「うん、分かってるよ。ありがとう」
「じゃあね」
小さく手を振ったあと、すずかはアリサを追いかけていった。なのはもすぐに帰ろうと思ったが、アリサとかち合うのもなんなので少し間を開けることにする。
十分ほど残っていたクラスメイトと雑談してから教室を出た。バス停までついてしばらく次の便が無いことに気付く。どうせ歩いて帰るのがつらいほどの距離でもないので、どうせなら適当に寄り道してから帰ることにした。
「1人で帰るのって、そういえば久しぶりかな」
いつの頃からかははっきりと言えないが、多分2人と知り合ってからいつも3人一緒だった。登下校、授業中、放課後、休日。家族よりも一緒にいたかもしれない。
「いつの間にか、友達になっちゃったんだよなぁ……」
「昔はさ」
「ん?」
ヴァイオリンの教室に向かうリムジンの中で、おかしそうに笑いながらすずかが切り出した。
「私、今よりずっと気が弱くて、思ったこと全然言えなくて、誰に何を言われても反論できない女の子だったんだよね」
「そういえばそうね……今のあんたを知ってる人間が聞けば笑い出すわ、きっと」
「えぇ、そうかなぁ」
普段は3人の中で一番おとなしいが、怒ると一番怖いのが今のすずかだった。学年ではなのはを抑え、怒らせたら怖い人ランキング№1に君臨している。
しかし確かに昔のすずかは引っ込み思案で自己主張の一切無い、典型的ないじめられっ子だった。
「……私は我ながら最低な子だったっけね。自信家でわがままで強がりで。だからクラスメイトをからかって馬鹿にしてた」
「私のヘアバンドとったりとか、ね」
「……言わないで。ガキだったのよ、あの頃は」
過去に自分を省みて顔を手で覆う。自分の過去ほど恥ずかしいものはそうそうない。若さは過ちで満ちているのだ。
「今だって大人とは言えないと思うけど。ちゃんと言えてないしね、なのはちゃんのことす「わーわーわー!!!」
アリサは両手を意味なくぶんぶん振り回し、大声を張り上げてすずかの言葉をかき消した。
「す、すすすすずか、それなのはに言ったらどうなるか分かってるんでしょうね!?」
「うん。アリサちゃん、真っ赤になっていろいろ言い訳するんだろうなぁ……かわいいなぁ……」
「あんた昔と性格変わりすぎよ!!」
ヘアバンドをとっただけで泣きながら追いかけてきたあの頃のすずかが懐かしい。今もし誰かが同じことをすれば、その生徒はおそらく一週間のうちに鬱病、もしくはその他の精神疾患を患って不登校になる。その前に最強のガーディアンが出陣して哀れないたずらっ子に正義の鉄槌を下すのだろうが。
なみだ目になったアリサを見てひとしきり笑った後、すずかは窓の外に視線を向けて追憶する。
「なのはちゃんがいたから、私たち友達になれたんだよね」
「……そうね」
先に帰る準備を終えたすずかが教室を出る前に振り返った。
「じゃあなのはちゃん、ごめんね。今日は私たちお稽古の日だから」
「夜遅くまでなんだよね。いってらっしゃい、がんばってね」
「……」
アリサは無言で去っていってしまう。そんなアリサの様子を苦笑しながら見送るすずか。
「アリサちゃん……もう。大丈夫だからね、なのはちゃん」
「うん、分かってるよ。ありがとう」
「じゃあね」
小さく手を振ったあと、すずかはアリサを追いかけていった。なのはもすぐに帰ろうと思ったが、アリサとかち合うのもなんなので少し間を開けることにする。
十分ほど残っていたクラスメイトと雑談してから教室を出た。バス停までついてしばらく次の便が無いことに気付く。どうせ歩いて帰るのがつらいほどの距離でもないので、どうせなら適当に寄り道してから帰ることにした。
「1人で帰るのって、そういえば久しぶりかな」
いつの頃からかははっきりと言えないが、多分2人と知り合ってからいつも3人一緒だった。登下校、授業中、放課後、休日。家族よりも一緒にいたかもしれない。
「いつの間にか、友達になっちゃったんだよなぁ……」
「昔はさ」
「ん?」
ヴァイオリンの教室に向かうリムジンの中で、おかしそうに笑いながらすずかが切り出した。
「私、今よりずっと気が弱くて、思ったこと全然言えなくて、誰に何を言われても反論できない女の子だったんだよね」
「そういえばそうね……今のあんたを知ってる人間が聞けば笑い出すわ、きっと」
「えぇ、そうかなぁ」
普段は3人の中で一番おとなしいが、怒ると一番怖いのが今のすずかだった。学年ではなのはを抑え、怒らせたら怖い人ランキング№1に君臨している。
しかし確かに昔のすずかは引っ込み思案で自己主張の一切無い、典型的ないじめられっ子だった。
「……私は我ながら最低な子だったっけね。自信家でわがままで強がりで。だからクラスメイトをからかって馬鹿にしてた」
「私のヘアバンドとったりとか、ね」
「……言わないで。ガキだったのよ、あの頃は」
過去に自分を省みて顔を手で覆う。自分の過去ほど恥ずかしいものはそうそうない。若さは過ちで満ちているのだ。
「今だって大人とは言えないと思うけど。ちゃんと言えてないしね、なのはちゃんのことす「わーわーわー!!!」
アリサは両手を意味なくぶんぶん振り回し、大声を張り上げてすずかの言葉をかき消した。
「す、すすすすずか、それなのはに言ったらどうなるか分かってるんでしょうね!?」
「うん。アリサちゃん、真っ赤になっていろいろ言い訳するんだろうなぁ……かわいいなぁ……」
「あんた昔と性格変わりすぎよ!!」
ヘアバンドをとっただけで泣きながら追いかけてきたあの頃のすずかが懐かしい。今もし誰かが同じことをすれば、その生徒はおそらく一週間のうちに鬱病、もしくはその他の精神疾患を患って不登校になる。その前に最強のガーディアンが出陣して哀れないたずらっ子に正義の鉄槌を下すのだろうが。
なみだ目になったアリサを見てひとしきり笑った後、すずかは窓の外に視線を向けて追憶する。
「なのはちゃんがいたから、私たち友達になれたんだよね」
「……そうね」
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3件のコメント
[C142] 返信
- 2006-08-05
- 編集
[C143] シリアス=ツッコミ無用=ユーノ不要
館長さん、こんにちは
Sっぽい大人の女性…ジャム・マスターの秋子さんを筆頭に多いですね。
それは置いといて、今更ながらにすずか…黒いです。ハーレム・ルートを一番望んでいるのはこの人なのではないかと思う今日この頃…
「真っ赤になったアリサちゃん…プチトマトみたいでかわいい(ポッ)。 前菜がアリサちゃんでメインディッシュがなのはちゃん(はぁと)…」
こんな事、妄想してません? すずかさん(汗)
アリサとすずかが友達になる過程は原作通りなんですね。 当時は原作通りの性格だったのに、一体どこで変わってしまったのか?
そうかッ!? なのはの性別か!! 全然忘れてぇ「ジュッ」(圧倒的熱量による蒸発
Sっぽい大人の女性…ジャム・マスターの秋子さんを筆頭に多いですね。
それは置いといて、今更ながらにすずか…黒いです。ハーレム・ルートを一番望んでいるのはこの人なのではないかと思う今日この頃…
「真っ赤になったアリサちゃん…プチトマトみたいでかわいい(ポッ)。 前菜がアリサちゃんでメインディッシュがなのはちゃん(はぁと)…」
こんな事、妄想してません? すずかさん(汗)
アリサとすずかが友達になる過程は原作通りなんですね。 当時は原作通りの性格だったのに、一体どこで変わってしまったのか?
そうかッ!? なのはの性別か!! 全然忘れてぇ「ジュッ」(圧倒的熱量による蒸発
- 2006-08-06
- 編集
[C144] 忘れてた
なのはのトラウマはここのオリジナル設定でしたね。
なのはがなんのトラウマを持ってるのかいまいち解ってなくて、最近まで原作の悲しい別れのことかなって勘違いしていました(そもそもアリサ死んでないし)
3-2を読み返すと「子猫」がなにやらキーワードのようで、うずうずしながら待っておきますw
なのはがなんのトラウマを持ってるのかいまいち解ってなくて、最近まで原作の悲しい別れのことかなって勘違いしていました(そもそもアリサ死んでないし)
3-2を読み返すと「子猫」がなにやらキーワードのようで、うずうずしながら待っておきますw
- 2006-08-06
- 編集
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>さて、テストを全部すっぽかしたのがバレると母君に絞め殺されそうなユキですw(挨拶
アホかw テストくらい受けれwww
>現在、実家に帰ってるわけですが、ノートPC着くのマジオソス。漸くきたよー。つーわけでこれからここを筆頭とした巡回サイトを廻るわけです。
ここが筆頭ですかw
>アリサの スルーこうげき!
>なのはは せいしんに 84のダメージをうけた!
>守りたいと思うなのはと、一緒に隣り合って歩いていきたいアリサとすずか。
>そーいうすれ違いからですかね。
まぁ、コレはなのはが悪いわけですが。それでもなのはには譲れないモノがあるわけですね。守られる事へのトラウマですか。後で書く予定ですがそういうシリアスな回想は苦手も苦手なんです。
っていうかラブも苦手ギャグもセンスが微妙戦闘はスピード感がない日常はぐだぐだシリアスは書いてると胸が苦しくなってくると、もうつまるところ全部ダメ(ry
>待ってることしか出来ない女は辛いのよ? と言われた気がする今回。なのはを信じて帰りを待ってたら、フラグの立ったフェイトってライバルが出てきて一騒動、何てイメージが湧いて来たw
>嫉妬心全開になりそうな展開www
>やばいwそういう展開とかになったらウレシスwww
微妙にそうなるかもしれんw
>アリサの感情暴露。思い余って「当たり前」とまで言うアリサに7モエスw アリサが何でそんな事分かるのよ→すずかが分かるよ。だって私も好きだもの、とかに夢想w (・∀・)イイ!! よ(・∀・)イイ!! よ!!
ヒントつ「アリサちゃんも」
>んー。シリアスだったからテンション上げて変な感想書けなかったよ(⊃д`)
>まーこれからに更なる期待がかかりますねw
>それでは無理の無いように頑張ってください。
ごめん、これからもちょっとシリアスw
ノシノシ
>通りすがるさん
> 「ふふ やっぱりアリサちゃんもなのはちゃんのこと好きなんだよね」
>アリサちゃん「も」……( ゚д゚)ポカーン
気付いたかw
>あれれ、すずかの発言に関してはスルーですかアリサさん?
多分アリサは気付いてないw そこの所は想像にお任せ。丸投げとも言う(#´∀`)≡⊃)∀`)・:
>福茶さん
>館長さん、こんにちは
>すずか…あの時起きていたんだ(笑)。
起きていましたw
>つまり、なのはが急所攻撃受けた時に一人聞き耳立てて「悶えて」いたと? あの時のすずかの声って「寝言」じゃなかったんですね(笑)。
すずかってSっけがあるんじゃないかと思うんですよ。なんか大人って言うかお姉さんっていうか、そう言う匂い?
>冷戦状態のなのはとアリサ、そして仲をとりもつように見えながらきっちりアリサ側なすずか…なのは側の情報がアリサにだだ漏れ状態であります。 情報戦で大幅に遅れをとっている以上、なのはに勝ち目ないです。
太平洋戦争中、日本は情報戦で後れを取っておりました……
>それにしても、あちこちで恋愛・フラグ乱発してますね…もしや、ハーレム・ルートッ!?
あるあ……あるあるwww
>なのはとフェイトの溝を埋める…つまりフェイトがなのはの手に堕ちるんですね!!(マテ
堕ちるってゆーなw
>なのはに破れ、囚われの身となるフェイト…そんな彼女を助けるべく満身創痍のアルフが立ち上がる!!
>…あれ? どっちが主役?
どう見てもアルフです。ほんt(ry