創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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魔法少年ロジカルなのは5-1(6)
「驚くほどたくさんの機能が付いて、ほら、こんなにコンパクト♪」
夕刻は過ぎ、ほとんど宵の頃合。巨大な液晶画面が新発売の携帯電話の宣伝を流し、それに負けじとネオンの文字が激しく自己主張する。街が夜の表情に変わっていく。
「うーん、タイムアウトかも。そろそろ帰らないと」
腕まくりをして時計を見ると、小学生が出歩くには危ない時間になりつつあった。
不良に絡まれるような類のことならば簡単に解決できても、警察に補導されるようなことになればあの母に数日外出禁止を喰らうかもしれない。
すると今までなのはの肩に乗っていたユーノが地面に降りる。
(大丈夫だよ。ボクがもう少し残って探してくから)
「うん、お願い。町の人に踏み潰されてのたれ死ぬことを願ってるよ」
(これ以上ない応援ありがとう。なんとしても生き残るから心配しないで)
「あんまり張り切らなくていいからね」
最後まで笑顔で言ってやって、なのははユーノから離れた。その小さな姿が見えなくなるところまで小走りして、すかさず携帯を取り出す。やることは1つ、メールチェック。
「アリサちゃんとすずかちゃん、そろそろお稽古が終わって帰る頃かな」
この時間、2人はいつも習い事の先生の愚痴やなにやらを送ってくる。それになのはが返信して、それにアリサたちがまた返信して、とメール交換は途切れ途切れにどちらかが眠るまで続く。まるで意味のない行為だったが、なのはには意味のないことが逆に安らぎだった。
しかし画面に映し出されたのは『新着メールはありません』という文字だけ。なのはは自嘲して携帯を閉じた。
「……来るわけ、ないよね」
――――――――――――――――――――――――――――――
同じ頃、なのはの呟きが聞こえるほど近くはなく、だが大声を張り上げれば届かないわけではない距離にあるとあるビルの屋上。
フェイトが隣に犬形態のアルフを従えて街の賑わいを見下ろしていた。
「大体このあたりだと思うんだけど、大まかな位置しか分からないんだ」
(確かにこれだけごみごみしてると探すのも一苦労だぁねぇ)
ミッドチルダにも大都市はいくつかあるが、それらは皆三次元的な空間設計を行っているためあまり混むということはない。世界全体の人口が少ないのもあって(先進世界はどこも大抵人口が少なく落ち着く)、フェイトもこれだけの人ごみを見たのは久しぶりだった。
「ちょっと乱暴だけど周辺に魔力流を打ち込んで強制発動させるよ」
(ああ待った、それあたしがやる)
「大丈夫? 結構疲れるよ?」
フェイトがやろうとしていることは火種を探すために油をぶちまけるようなもので、かなり魔力を消耗するのだが今は時間が惜しい。フェイトは今まで1つのジュエルシードも手に入れていないのだ。フェイトは母の悲しい顔を見ないために、アルフは主人が痛めつけられることのないように、なんとしてもジュエルシードを欲していた。
アルフの魔力は殆ど残っておらず確かに余裕はない。だが恐らく、いや確実にあの悪魔が来る以上、フェイトには少しでも魔力を温存して欲しかった。だからフェイトの心配を鼻で笑う。
(ふん、このあたしを誰の使い魔だと思ってるんだい?)
「そうだね……じゃあおねがい」
アルフが強がっていることは、例え精神リンクをしていなくても顔を見れば分かった。
だからこそアルフを信頼する。
(そんじゃあ!)
アルフの足元に魔法陣が展開し、魔力が広がっていく。コンクリートの森に隠れたジュエルシードはその魔力を受けて大きく輝いた。
夕刻は過ぎ、ほとんど宵の頃合。巨大な液晶画面が新発売の携帯電話の宣伝を流し、それに負けじとネオンの文字が激しく自己主張する。街が夜の表情に変わっていく。
「うーん、タイムアウトかも。そろそろ帰らないと」
腕まくりをして時計を見ると、小学生が出歩くには危ない時間になりつつあった。
不良に絡まれるような類のことならば簡単に解決できても、警察に補導されるようなことになればあの母に数日外出禁止を喰らうかもしれない。
すると今までなのはの肩に乗っていたユーノが地面に降りる。
(大丈夫だよ。ボクがもう少し残って探してくから)
「うん、お願い。町の人に踏み潰されてのたれ死ぬことを願ってるよ」
(これ以上ない応援ありがとう。なんとしても生き残るから心配しないで)
「あんまり張り切らなくていいからね」
最後まで笑顔で言ってやって、なのははユーノから離れた。その小さな姿が見えなくなるところまで小走りして、すかさず携帯を取り出す。やることは1つ、メールチェック。
「アリサちゃんとすずかちゃん、そろそろお稽古が終わって帰る頃かな」
この時間、2人はいつも習い事の先生の愚痴やなにやらを送ってくる。それになのはが返信して、それにアリサたちがまた返信して、とメール交換は途切れ途切れにどちらかが眠るまで続く。まるで意味のない行為だったが、なのはには意味のないことが逆に安らぎだった。
しかし画面に映し出されたのは『新着メールはありません』という文字だけ。なのはは自嘲して携帯を閉じた。
「……来るわけ、ないよね」
――――――――――――――――――――――――――――――
同じ頃、なのはの呟きが聞こえるほど近くはなく、だが大声を張り上げれば届かないわけではない距離にあるとあるビルの屋上。
フェイトが隣に犬形態のアルフを従えて街の賑わいを見下ろしていた。
「大体このあたりだと思うんだけど、大まかな位置しか分からないんだ」
(確かにこれだけごみごみしてると探すのも一苦労だぁねぇ)
ミッドチルダにも大都市はいくつかあるが、それらは皆三次元的な空間設計を行っているためあまり混むということはない。世界全体の人口が少ないのもあって(先進世界はどこも大抵人口が少なく落ち着く)、フェイトもこれだけの人ごみを見たのは久しぶりだった。
「ちょっと乱暴だけど周辺に魔力流を打ち込んで強制発動させるよ」
(ああ待った、それあたしがやる)
「大丈夫? 結構疲れるよ?」
フェイトがやろうとしていることは火種を探すために油をぶちまけるようなもので、かなり魔力を消耗するのだが今は時間が惜しい。フェイトは今まで1つのジュエルシードも手に入れていないのだ。フェイトは母の悲しい顔を見ないために、アルフは主人が痛めつけられることのないように、なんとしてもジュエルシードを欲していた。
アルフの魔力は殆ど残っておらず確かに余裕はない。だが恐らく、いや確実にあの悪魔が来る以上、フェイトには少しでも魔力を温存して欲しかった。だからフェイトの心配を鼻で笑う。
(ふん、このあたしを誰の使い魔だと思ってるんだい?)
「そうだね……じゃあおねがい」
アルフが強がっていることは、例え精神リンクをしていなくても顔を見れば分かった。
だからこそアルフを信頼する。
(そんじゃあ!)
アルフの足元に魔法陣が展開し、魔力が広がっていく。コンクリートの森に隠れたジュエルシードはその魔力を受けて大きく輝いた。
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2件のコメント
[C149] おひさー
- 2006-08-12
- 編集
[C150] もうすぐ…
館長さん、こんにちは
ほのかに再戦の匂いをかもし始める両チーム、なのは・ユーノ×フェイト・アルフ(MP0)の戦いはどちらが有利なのか?
この戦闘後、管理局とプレシア(の鞭)登場だと思うと楽しみで楽しみで!(マテ
フェイトの考えはおいといて、プレシアは「悲しい顔」なんてしないでしょう…楽しそぅ、いやいや怒るか壊れた微笑み浮かべるかのどっちかだろうと。
そしてジュエル・シード0個でプレシアに捨てられた傷心フェイトをなのはが拾う、という事で!
でも、もしフェイト・アルフがきたら、問答無用でユーノ捨てられそうです。
ほのかに再戦の匂いをかもし始める両チーム、なのは・ユーノ×フェイト・アルフ(MP0)の戦いはどちらが有利なのか?
この戦闘後、管理局とプレシア(の鞭)登場だと思うと楽しみで楽しみで!(マテ
フェイトの考えはおいといて、プレシアは「悲しい顔」なんてしないでしょう…楽しそぅ、いやいや怒るか壊れた微笑み浮かべるかのどっちかだろうと。
そしてジュエル・シード0個でプレシアに捨てられた傷心フェイトをなのはが拾う、という事で!
でも、もしフェイト・アルフがきたら、問答無用でユーノ捨てられそうです。
- 2006-08-12
- 編集
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>驚くほどたくさんの機能が付いて~
最初、なのはがバイトやってんのかとオモタw
んー。お仕事スマイルは上手そうだよなーw
>あの母に数日外出禁止~
きっと叱られて外出禁止を言われるのでなく、文字通りの力で外出禁止状態に追い込まれるんでしょうねw
>なのはとユーノ
素敵な言葉のキャッチボール。言葉の大切さを身に沁みて教えられました(ぁ この程度は当たり前のこの二人の会話w
原作より激しく凹んでそうななのは。ん。多分、そのうち何とかしてやるさ!かんちょーさんが!
アルフのダメージ残留以外は大体、原作通りのフェイト組み。関係ないですが、なのはがアリサ・すずかに見せる本当の優しさと笑顔を見せれば、フェイトの心に衝撃くらいは与えられそうジャマイカと思ったり、思わなかったり。
うー。朝の4時半起きは意外ときついよねーw
そろそろ一週間の睡眠時間が7時間を軽くきりそうな感じですよ、と。
つか、大学のある南方はサウナの中みたいな温度だけどカラッとした暑さ、今帰ってきてる関西方面の実家あたりは、気温はさほどじゃないけどジメッとした暑さ。後者の方が性質悪く、やってらんねーってかんじですよーwww
ノシノシ