創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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リハビリとして一本
えー、ご無沙汰です。実に遅れました。すんません……
とりあえず用事は片付いたのですが、さっぱり筆が鈍って書けない書けないwww
……そんなわけで今回はリハビリとしてオリジナルの短編一本。
試しに作風変えて、シリアス……というわけではないんですがそんな感じに書いてみました。描写の仕方も変えてみたりして。多分失敗ですがw
ちなみに実話です。雨の日に猫の死体を見つけるとか、それを埋めるとか、こんなことホントにあるんですね……
ちょいグロ描写もあるので苦手な人は流してください。↓
とりあえず用事は片付いたのですが、さっぱり筆が鈍って書けない書けないwww
……そんなわけで今回はリハビリとしてオリジナルの短編一本。
試しに作風変えて、シリアス……というわけではないんですがそんな感じに書いてみました。描写の仕方も変えてみたりして。多分失敗ですがw
ちなみに実話です。雨の日に猫の死体を見つけるとか、それを埋めるとか、こんなことホントにあるんですね……
ちょいグロ描写もあるので苦手な人は流してください。↓
私は自宅から200mも離れていない小さなT字路の交差部分でそれ見つけた。耳鼻科から帰る途中の、正午をやや過ぎた頃だった。
空を覆う灰色の雲がぽつぽつと小雨を降らせていたが、天気予報を見ていなかった私は傘を持っていなかった。髪と服が身体に張り付く微妙な不快感を、私は道端の石ころを蹴り飛ばすことで紛らわせていた。足元に視線を集中させていたため、死骸を見つけたときには細部まで分かるほど近づいていた。
足がぴたりと止まり、視線が釘付けにされ、思考が停止した。耳の治療はこの日で終わっていたので、石ころがアスファルトの上を転がり、やがて止まったのがやたらとはっきり聞こえた。死骸はどう贔屓目に見てもグロテスクな代物だったが、不思議と嫌悪感はなかった。気づけば私は冷静に惨状を確認していた。
胸部は深く陥没し、右前足はただの肉塊と化していた。尻尾の付け根辺りから白いものがはみ出ているのが見て取れた。おそらく大腿骨かなにかだったのだろう。その他にもさまざま傷が散見できたが、中でも一番強烈に印象に残ったのは頭部だった。横に強い衝撃が加わったらしく、全体が押しつぶされて縦長に変形し、右の眼球が飛び出て破裂していた。どの辺りを構成していたのかはわからなかったが、青色と緑色の物体が白い眼球とまざった異常なコントラストが強く目に焼きついた。左目も到底無事とは言えず、眼球があった部分は血色のくぼみとしかいえないものになっていた。
首輪やプレートといった飼い猫であることを示す物はなかった。毛並みもかなりぼさぼさだったので、おそらく野良猫だろうと私は思った。もっともあんな状態になってしまっては毛並みなどさして参考にならないと思い直し、判断は保留にしたが。
それから少しの間、私はその場に留まって死骸を見下ろしながら、どこかに埋めてやろうかかと思案にくれた。もしかしたら数分を越えていたかもしれなかった。あの時の私の時間感覚はそれほど頼りないものだった。
結局のところ死骸を素手で持ち上げることに抵抗を感じた私は、それを自分への言い訳にして何をすることもなく自宅に帰った。靴を脱ぎ、リュックを放り投げ、冷蔵庫から牛乳を出してコップに注ぎ一気にあおった。コップを洗って乾燥台に放り込んだ後、自室に戻ってパソコンの電源を入れ、ブラウザを起動させた。しかし無意識に行動できたのはそこまでで、これから何をするかと考え始めると、私は頭の中でまだ死骸を見下ろしていた。
憐憫や同情は無いといっても差支えがない。交通事故で死んでいく動物など無数にいるし、彼らは人間に弔ってもらうなどと思っていないだろう。動物は死んだら腐って土に還る。連綿と続いてきた自然の環にどう立ち入ったところで、それは自己満足でしかない。百も承知だ。
だがアスファルトの上に転がったまま土にすら触れていないあの様子に違和感を覚えずに居られなかった。
無視を決め込むほどの図太さも、すぐに弔ってやる潔さもない自分自身に舌打ちをして、私はパソコンを休止モードにしてから靴箱の中に放り込んであった軍手をはめた。もと来た道を戻る最中、私は自分の一貫性のなさに心底辟易し続けた。
死骸はさっきとなにも変わらない様子でそこにあった。腹と頭部の下に手を差し入れて持ち上げる。一瞬、この様子を誰かに見られるのは気まずいかな、とも考えたが、今更だった。幸い、運んでいる間は誰に見つかることもなかった。
埋める場所は家のすぐそばにある雑木林にした。確か私有地のはずなのだが、私が子供の頃からずっと荒れ放題になっている。立ち入り禁止と書かれていた看板は、今では地面に埋まっている腐った木の棒で、ロープは触っただけで崩れ落ちるような状態だった。猫一匹埋めるくらい構わないだろうと勝手に納得することにした。見つかって怒られても、それまでだろう。
めぼしい場所に一度死骸を横たえて、私はもう一度家に戻った。スコップを持ってくるためだ。家の裏に回って、積み重ねてある箒やらから発泡スチロールやらの中から古びたスコップを引っこ抜く。虫除けスプレーも使っておこうと思ったが、小雨が降っていることに気づいてやめた。
「……やるかぁ」
ため息の声は、我ながら全くやる気に欠けていた。穴を掘るなんて作業は久しぶりだ。四年前母方の実家へ行ったときに竹の子をとった以来だった。まぁ、あれは穴を掘る、というのとはまた違う気もしたが。
スコップの先端を地面に突き刺す。がちゃ、と付け根の笑う音がした。見れば留め金が外れかけていた。もっとまともなものを持って繰ればよかったと後悔しながら、苦労して穴を掘り進める。
大きな石や砂利に何度も突っかかって、猫一匹が入るほどの穴ができるまで10分もかかってしまった。上がった息に運動不足を痛感する。
やっとのことでできた墓穴に死骸を横たえる。ピッタリだ。一抹の満足感を覚え、そしてゆっくりと土を上からかける。
後には少し盛り上がった地面だけが残された。少し気を利かせて花か何かを備えようと思ったが、周りに生えていたのはドクダミだけだったので諦めた。どうせ猫もそんなものは欲しがっていないだろう。
「それじゃ」
それから私はやっといつものペースに戻ることができた。パソコンをつけ、サイダーを飲みながらネットを回る。だらだらと。それがいいのだ。全くらしくなかった。疲れた。身体もだが心も疲れた。得られたのは喉の奥に引っかかった小骨が取れたような、そんな感覚だけ。それがどれだけの価値を持つのかは分からないが……
少なくとも私は翌日に、全身を襲う筋肉痛に悶えたが、それでもやらないよりはよかったと思った。
空を覆う灰色の雲がぽつぽつと小雨を降らせていたが、天気予報を見ていなかった私は傘を持っていなかった。髪と服が身体に張り付く微妙な不快感を、私は道端の石ころを蹴り飛ばすことで紛らわせていた。足元に視線を集中させていたため、死骸を見つけたときには細部まで分かるほど近づいていた。
足がぴたりと止まり、視線が釘付けにされ、思考が停止した。耳の治療はこの日で終わっていたので、石ころがアスファルトの上を転がり、やがて止まったのがやたらとはっきり聞こえた。死骸はどう贔屓目に見てもグロテスクな代物だったが、不思議と嫌悪感はなかった。気づけば私は冷静に惨状を確認していた。
胸部は深く陥没し、右前足はただの肉塊と化していた。尻尾の付け根辺りから白いものがはみ出ているのが見て取れた。おそらく大腿骨かなにかだったのだろう。その他にもさまざま傷が散見できたが、中でも一番強烈に印象に残ったのは頭部だった。横に強い衝撃が加わったらしく、全体が押しつぶされて縦長に変形し、右の眼球が飛び出て破裂していた。どの辺りを構成していたのかはわからなかったが、青色と緑色の物体が白い眼球とまざった異常なコントラストが強く目に焼きついた。左目も到底無事とは言えず、眼球があった部分は血色のくぼみとしかいえないものになっていた。
首輪やプレートといった飼い猫であることを示す物はなかった。毛並みもかなりぼさぼさだったので、おそらく野良猫だろうと私は思った。もっともあんな状態になってしまっては毛並みなどさして参考にならないと思い直し、判断は保留にしたが。
それから少しの間、私はその場に留まって死骸を見下ろしながら、どこかに埋めてやろうかかと思案にくれた。もしかしたら数分を越えていたかもしれなかった。あの時の私の時間感覚はそれほど頼りないものだった。
結局のところ死骸を素手で持ち上げることに抵抗を感じた私は、それを自分への言い訳にして何をすることもなく自宅に帰った。靴を脱ぎ、リュックを放り投げ、冷蔵庫から牛乳を出してコップに注ぎ一気にあおった。コップを洗って乾燥台に放り込んだ後、自室に戻ってパソコンの電源を入れ、ブラウザを起動させた。しかし無意識に行動できたのはそこまでで、これから何をするかと考え始めると、私は頭の中でまだ死骸を見下ろしていた。
憐憫や同情は無いといっても差支えがない。交通事故で死んでいく動物など無数にいるし、彼らは人間に弔ってもらうなどと思っていないだろう。動物は死んだら腐って土に還る。連綿と続いてきた自然の環にどう立ち入ったところで、それは自己満足でしかない。百も承知だ。
だがアスファルトの上に転がったまま土にすら触れていないあの様子に違和感を覚えずに居られなかった。
無視を決め込むほどの図太さも、すぐに弔ってやる潔さもない自分自身に舌打ちをして、私はパソコンを休止モードにしてから靴箱の中に放り込んであった軍手をはめた。もと来た道を戻る最中、私は自分の一貫性のなさに心底辟易し続けた。
死骸はさっきとなにも変わらない様子でそこにあった。腹と頭部の下に手を差し入れて持ち上げる。一瞬、この様子を誰かに見られるのは気まずいかな、とも考えたが、今更だった。幸い、運んでいる間は誰に見つかることもなかった。
埋める場所は家のすぐそばにある雑木林にした。確か私有地のはずなのだが、私が子供の頃からずっと荒れ放題になっている。立ち入り禁止と書かれていた看板は、今では地面に埋まっている腐った木の棒で、ロープは触っただけで崩れ落ちるような状態だった。猫一匹埋めるくらい構わないだろうと勝手に納得することにした。見つかって怒られても、それまでだろう。
めぼしい場所に一度死骸を横たえて、私はもう一度家に戻った。スコップを持ってくるためだ。家の裏に回って、積み重ねてある箒やらから発泡スチロールやらの中から古びたスコップを引っこ抜く。虫除けスプレーも使っておこうと思ったが、小雨が降っていることに気づいてやめた。
「……やるかぁ」
ため息の声は、我ながら全くやる気に欠けていた。穴を掘るなんて作業は久しぶりだ。四年前母方の実家へ行ったときに竹の子をとった以来だった。まぁ、あれは穴を掘る、というのとはまた違う気もしたが。
スコップの先端を地面に突き刺す。がちゃ、と付け根の笑う音がした。見れば留め金が外れかけていた。もっとまともなものを持って繰ればよかったと後悔しながら、苦労して穴を掘り進める。
大きな石や砂利に何度も突っかかって、猫一匹が入るほどの穴ができるまで10分もかかってしまった。上がった息に運動不足を痛感する。
やっとのことでできた墓穴に死骸を横たえる。ピッタリだ。一抹の満足感を覚え、そしてゆっくりと土を上からかける。
後には少し盛り上がった地面だけが残された。少し気を利かせて花か何かを備えようと思ったが、周りに生えていたのはドクダミだけだったので諦めた。どうせ猫もそんなものは欲しがっていないだろう。
「それじゃ」
それから私はやっといつものペースに戻ることができた。パソコンをつけ、サイダーを飲みながらネットを回る。だらだらと。それがいいのだ。全くらしくなかった。疲れた。身体もだが心も疲れた。得られたのは喉の奥に引っかかった小骨が取れたような、そんな感覚だけ。それがどれだけの価値を持つのかは分からないが……
少なくとも私は翌日に、全身を襲う筋肉痛に悶えたが、それでもやらないよりはよかったと思った。
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3件のコメント
[C853] 返信
- 2007-08-05
- 編集
[C854]
動物の死骸、コリャグロイですね。
これはグロすぎますね。
公式サイトのトップ絵がDVD2巻のパッケージになっております。おそらく新巻が出るたびにトップ絵がDVDパッケージになるでしょう。
これはグロすぎますね。
公式サイトのトップ絵がDVD2巻のパッケージになっております。おそらく新巻が出るたびにトップ絵がDVDパッケージになるでしょう。
- 2007-08-06
- 編集
[C855]
館長さん、こんにちはー
っていうか、お久しぶりっす。
うーん、結構グロい描写が・・・
家の畑の片隅には今まで飼っていた犬達の死体が埋まっていたりしますが、3月に昇天してしまった犬は火葬場で焼いて貰いました。
ワタクシの居る場所では野良犬は見かけなくなったけど野良猫は増えたようで・・・
時々、死体とかが・・・ はふぅ
埋めようって気持ちは理解出来ます。 その死体を見るたびに心にダメージを負うもんですから。
では、また次回ー
っていうか、お久しぶりっす。
うーん、結構グロい描写が・・・
家の畑の片隅には今まで飼っていた犬達の死体が埋まっていたりしますが、3月に昇天してしまった犬は火葬場で焼いて貰いました。
ワタクシの居る場所では野良犬は見かけなくなったけど野良猫は増えたようで・・・
時々、死体とかが・・・ はふぅ
埋めようって気持ちは理解出来ます。 その死体を見るたびに心にダメージを負うもんですから。
では、また次回ー
- 2007-08-06
- 編集
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>壮大な過去編ですね。
>アニメ版同様まるで週刊少年漫画的な展開です。
>なのはは不良にぼこぼこにされてしまうのでしょうか?今からガクブルです。
過去のトラウマはなんというか、ありがちすぎるんですけどねwww
>イリスさん
>自分の感想が無駄に長い…
>まず一言。
>>ピアノひけるんすか? 私はクラリネットなら多少はいけます。
>リコーダーでいっぱいいっぱいだよバカヤローーーーーー!(泣)
リコーダー苦手です。案外難しいんですよw
>不器用人イリスです。
>>ネコを抱き上げて膝の上に乗せた。ネコは少し身体を身じろぎさせたが、しばらくすると特に抵抗することもなくなった。病院では抱こうとすると散々引っかき傷を作ってくれたものだが、やっとなのはにもなついてくれたようだ。
>猫を抱いている美少女♂。(ぇ
>館長さんが生み出した萌えの極みですね~。(CV.石田彰)
なんかもう色々と日本語がおかしいwww
>>帰ってきたりどっかいったりぼちぼちw
>>A'sはとにかく、なのはを強くしすぎないのが難しい。ので、ロジカルエンディングでごにょごにょ。
>まあ、魔法か御神流、どっちのレベル上がってもヤバいですしねこのロリっぽいショタ外道。
容赦がないのがいちばん難しい……
>>実は名前はごにょごにょなんですが、個人的にはあまりに臭い演出のため修正しようかどうか迷っているところ。でも非商業なのでノリ任せでいっちゃおうかなとw
>やるならとことんまでベッタベタなのがいいですね。勧善懲悪ものはそんなに好きじゃないが、デモベぐらいお約束&ノリノリならそれはそれでありな人。
私水戸黄門がだいすきwww
>>おおあたりw ま、ベタですよね。復讐のために修行する主人公。じつはなのはの女っぽさはここから身に付く。
>復讐のための力と共に女性化!?
>状況がまるで分からんwwwww
分かったらすごいw 私自身ちょっと無茶かなと思ってるwww
>それは、まだ私が闇というものをきちんと認識していなかったころの物語。
>そして、私が闇というものをきちんと理解してしまったときの物語。
>私は私を許さない。 無力だった私を許せない…。
>魔法少年ロジカルなのは9‐3話
>ロジカルシニカル始まります。
>という偽予告を思いついた、授業中に。(倒置法)
テラシリアスww
>福茶さん
>館長さん、こんにちはー
>子猫の名前、名前・・・
>白猫だから、『ガンダム』、『シン・マツナガ』『Q太郎』、『天草シロう』、『ジャック・範馬(白人?)』<シロしか共通してないがw
……なのはとかなwww
>>滅茶苦茶立ってますねw 自分でもどうかと思うほどあからさまwww
>>まぁフラグはあからさま故にフラグ、というんでしょうけどw (感想)
>まあ、思い出になっている時点で、既に死亡フラグなんですけどねw
ですね、過去形www
>>多分修正版の方だと徐々に明かす話になると思います。 (感想)
>おお!?
>それは頑張って下さい。
私のやる気が心配ですがねw
>>どう考えてもGガンダムです。本当に(ry (感想)
>どう考えても なのはが『デビルガンダム』ですねw
>ところで、DG細胞も なのはを女性と誤認するんだろうか? 既に細胞レベルで・・・
DGが逆浸食されるかもw
>>本人は悪い子でいるつもりなんですけど、なりきれてないあたりがw (感想)
>究極のツンデレってやつでw
どっちかっていうとヤンデレw
>>あっ……んっ……いいの、もっと言ってぇっ!!! (感想)
>口撃が届いていない!? クソッ、なんて厚い装甲(面の皮)だ!!
>・・・とか言いながら、反応が気になって返信が書き込まれるまでコメントを控えてみたりとw
ああん、つれないお・か・た♪
>>からくりは読んでないんだよなぁ。 (感想)
>まあ、ワタクシも立ち読みで、流し読みだったんですけどね。
>たしか、ウイルスに感染すると呼吸器系が麻痺して、相手を笑わせないと症状が緩和しない病気で、しかもその病気で死ぬことは無いから延々に苦しみ続けるって感じだったと思います。
拷問だな……しかし哲学的な病気だ。
>では、また次回ー
まさかその次回が一ヶ月後になろうとは……