創作天文台
文章の二次創作を中心としてオールマイティーに。現在リリカルなのはの二次創作を連載中。極々普通にリンクフリー。
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魔法少年ロジカルなのは10-3(3)
「なのはちゃん」
「は、はいっ!?」
声を裏返らせつつ飛び跳ねたなのはに、声をかけた女性局員も驚いた様子で目を見開いた。
「ど、どうしたのそんなに驚いて」
「いえいえなんでも、なんでもないですよ」
「ホントに? 傷が痛むなら無理はしないほうが」
「大丈夫ですよ! ほら、こんなに元気、はは!」
「そ、そう」
なのはは怖いくらいの笑顔とテンションでがんがんと壁を殴りつける。
特殊合金製の壁にはへこみ一つつかなかったが、女性局員がおぼろげに抱いていた「大人びていて冷静な」なのはのイメージは粉々になった。
「なのはちゃんはあの子の様子を見に来たのよね? 一通り終わったから、もう入って良いわよ」
「そ、そうですか? じゃあ失礼します!」
「え、ええ」
なのはは引きつった笑みを顔に貼り付けて、逃げるように部屋に入っていった。
それを見送った女性局員は、医療班に所属する人間として、なのはの異常行動をどう班長に報告すべきか検討し始めた。
―――――――――――――――――――――――――――
部屋に入り、一度目をつぶって戯けた妄想を完璧に払ってから、なのはは改めてフェイトを見た。
確かに綺麗な顔ではあるが、アリサやすずかと比べれば飛び抜けているわけではない、と思う。少なくとも我を失うほどではない。
(さっきはタイミングが悪かっただけだよね。私もちょっと疲れてるし)
とりあえずそれで納得して、なのははなるべく気軽な体でフェイトに語りかけた。
「さっきはごめんね、無断で入って来ちゃって」
「……」
「別に何も見てないから、気にしなくて良いよ」
「……」
言い終わってから、なのはは自分の失敗を悟った。何故わざわざ思い出したくもないことを掘り返すのか。
やはりまだ調子が戻っていないと冷や汗をかきながら、何事もなかったかのように話題の転換を試みる。
「調子は、どうかな?」
「……」
「あの薬の副作用とかはない?」
「……」
「……ふぅ」
反応を引き出そうと多少つっこんだことを聞いてみても、フェイトはいっこうに口を開かなかった。
なのはも友好的な態度などあり得ないとは思っていたが、こうも無言で睨み付けられるとやや息が詰まった。これまでの戦いを思えば、今すぐかみついてきても不思議ではないのだが。
「は、はいっ!?」
声を裏返らせつつ飛び跳ねたなのはに、声をかけた女性局員も驚いた様子で目を見開いた。
「ど、どうしたのそんなに驚いて」
「いえいえなんでも、なんでもないですよ」
「ホントに? 傷が痛むなら無理はしないほうが」
「大丈夫ですよ! ほら、こんなに元気、はは!」
「そ、そう」
なのはは怖いくらいの笑顔とテンションでがんがんと壁を殴りつける。
特殊合金製の壁にはへこみ一つつかなかったが、女性局員がおぼろげに抱いていた「大人びていて冷静な」なのはのイメージは粉々になった。
「なのはちゃんはあの子の様子を見に来たのよね? 一通り終わったから、もう入って良いわよ」
「そ、そうですか? じゃあ失礼します!」
「え、ええ」
なのはは引きつった笑みを顔に貼り付けて、逃げるように部屋に入っていった。
それを見送った女性局員は、医療班に所属する人間として、なのはの異常行動をどう班長に報告すべきか検討し始めた。
―――――――――――――――――――――――――――
部屋に入り、一度目をつぶって戯けた妄想を完璧に払ってから、なのはは改めてフェイトを見た。
確かに綺麗な顔ではあるが、アリサやすずかと比べれば飛び抜けているわけではない、と思う。少なくとも我を失うほどではない。
(さっきはタイミングが悪かっただけだよね。私もちょっと疲れてるし)
とりあえずそれで納得して、なのははなるべく気軽な体でフェイトに語りかけた。
「さっきはごめんね、無断で入って来ちゃって」
「……」
「別に何も見てないから、気にしなくて良いよ」
「……」
言い終わってから、なのはは自分の失敗を悟った。何故わざわざ思い出したくもないことを掘り返すのか。
やはりまだ調子が戻っていないと冷や汗をかきながら、何事もなかったかのように話題の転換を試みる。
「調子は、どうかな?」
「……」
「あの薬の副作用とかはない?」
「……」
「……ふぅ」
反応を引き出そうと多少つっこんだことを聞いてみても、フェイトはいっこうに口を開かなかった。
なのはも友好的な態度などあり得ないとは思っていたが、こうも無言で睨み付けられるとやや息が詰まった。これまでの戦いを思えば、今すぐかみついてきても不思議ではないのだが。
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4件のコメント
[C1218]
- 2009-02-12
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面白いです
壁を殴りつけるとか