Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://kantyou.blog40.fc2.com/tb.php/66-93d47bbf
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

魔法少年ロジカルなのは2-3(前)

十日も立っても進まなかったから前後編に分けて投稿するという無様orz

明日中に次を書く。書くったら書く。
……多分。

――――――――――――――――――――――――――――――
Mサイズのポップコーンとコカコーラ。映画を鑑賞するための、あまりに有名なサブアイテムだ。なのはとアリサもその例外に漏れず、二つをきっちり購入し、係員の誘導に従って13番ホールに入った。
さすが全世界待望の新作と銘打つだけあって、主に若い世代が中心となって座席を埋めていた。その間を通り、目的の席へ。
ホールを正方形とすると見事に交差点上。スクリーンからの距離も角度も申し分ない場所に、アリサが予約していた席はあった。
周りからすくなからず羨望の視線を受けながら、二人は腰を下ろす。

「いい席だね」
「ふふ。このアリサ・バニングス、そこら辺に抜かりはないわ」

しかしアリサにとって、本当の勝負はこれからだった。翠屋を出るときもすずかから声援を受けている。

『頑張ってアタックしてね』

アタックという言い方がアリサとしては気に入らなかったが、これを機になのはとより仲良くなることを目指すことに違いはなかった。
誰がどう見てもそれがアタックなのだが、アリサは断じて認めたがらない。これはあくまで友達として、より親密になるだけなのよ、と。
あまりに説得力に欠ける言い訳なのだが、そんなこと気にしない。
彼女の頭の中は、どうやってアタック……もとい、友好を深めるかどうかが、劣化ウランなみの高密度でぎゅーぎゅー詰めだからだ。

(コーラを一つだけ頼んで「あー買うの忘れちゃったなのはの少しちょうだい」間接キス作戦は失敗したし……次の手を打たなきゃいけないわね。ポップコーンをこぼして拾うふりをしながら転んで抱きつくとか。なのはは恐がりだから、そういうシーンで『大丈夫、私がついてる』『うぅ……アリサちゃん!』なんていうのもいいわよね。えへへ……)

その時のなのはの肌触りを想像して、顔をだらしなくゆるませるアリサ。発想がオヤジだ。それにあえて言うならば、なのはが抱きつきアリサが抱きつかれるのは、例え間違っていなくともいろいろとおかしい。

(……でも、これホラー映画じゃないし)

これから上映するのは超大作SF。相反する立場にある幽霊の類は出てきそうにない。
なのはは超常現象が苦手なのであって、血がドブシャァ! とか骨がグロッキャ! とかは全然平気なのだ。
以前「ばいお☆はざーど」という、傘を持った女の子によってばらまかれた「じーういるす」に感染してゾンビと化した人を、ピストルやマシンガンやロケットランチャーで撃ち殺していくゲームをやらせたとき、本人がそう言っていた。
なにせ生身で体験してるんだから、というところまではアリサも知らない。

(そだ! 真っ暗な映画館の中で偶然にも手を握ってしまう、これよ!!)

恐ろしく用意周到な偶然である。というか誰がどうみても故意だ。だが今この場に置いて、アリサが偶然と言えばそれは偶然なのだ。
それを可能にするだけの気迫を、今日のアリサは備えていた。

ビー

ホール内が暗くなり、ざわめきが収まる。反比例してアリサの心音はちゃくちゃくとボリュームを増大させる。
スクリーン投影が始まった。初めは10分程度のCMが流される。バイクに乗った悪役が主人公から蹴落とされ、後ろを走る仲間の車を巻き込んで爆発炎上する映像を見ながら、アリサは手を触れさせるタイミングを必死に考えていた。
全米激震! なんていう文字が大音響とともに現れるが、今のアリサにとっては全米なんぞ激震しようが涙しようが関係ない。隣で目を輝かせている少年の心だけでも揺らせればそれいいのだ。

(まだ早い……狙うなら本編が始まってから。思わず手を掴んでしまうようなアクションシーンで……!)

そしてCMは終わり映像はアリサ待望の本編に切り替わる。
全世界的におなじみのOPメロディをバックに、宇宙に吸い込まれていく黄色で書かれた今までのあらすじ。
全世界待望のスターウォーズが、二人の前に始まった。



そして十分後。



(―――っは!?)

ストーリーの節目に入ってアリサは我に返った。

(なめていたわ……この映画、なかなか面白いじゃない……!)

いきなり始まった宇宙空間での大艦隊戦に思わず見入ってしまった。なんら策をうつこともなく十分の消費。
こんなことしてる場合じゃないとアリサは自分を律する。映画館にきて他に何をするという話だが、そんなことは二の次なのだ。
一方のなのはは、目を輝かせて映画を楽しんでいた。こっちの方がよっぽど正しい観客の姿なのに、アリサを見た後だと「何を呑気に映画なんか見てるんだ」と突っ込みたくなるから何かがおかしい。

(そーっと、そーっと……)

まるで念力でも発するかのように手をぷるぷる震わせながら、秒速一センチでなのはの手に接近させていく。
四十六秒を使用したところで、アリサはなのはの手を射程圏内に捉えた。

(よし、今!)

スカッ

(な、なんですって!?)

しかしアリサは熱中したなのはの行動を計算に入れていなかった。宇宙戦艦の中に侵入した騎士達が光る剣を振るっているのを見て興奮したなのはは手を動かしてしまい、アリサの手は空を掴む。
ホール全体に「おぉー……」とどよめきが満ちる中、アリサは一人舌打ちした。

(まだまだ行くわよ……)

アクションシーンにさしかかるたびなのはとアリサの攻防?が繰り広げられていく。
だがアリサの攻撃はそのことごとくがぎりぎりで回避され、手を握るどころが触れることすらかなわない。
そうして失敗を重ねている間に、ついに物語は終盤まで進んでしまった。タイムリミットは刻一刻と近づいていく。

(くっ……! なのは、実は気付いてるんじゃないでしょうね!?)

それはないだろうと自分でも思いつつ。もしそんなことがあれば、恥ずかしくて死んでしまうだろう。
しかし何か未知なる力でも働いてるんじゃないかと思うほどの避けっぷりだった。ジェダイの騎士も顔負けだ。

『お前は選ばれし者だったのに!!』
『もう全ては遅いんだ!!!』

いよいよ映画はクライマックス。溶岩流のなかで光の刃を交差させる、燃える戦いが展開される。なのはは興奮最高潮でスクリーンに釘付けにされていた。

(ああもう、う゛おんう゛おんうるさいのよ! 集中できないじゃない!!)

もっともアリサにとってはただの雑音に過ぎないようであった。
アリサの心をこのホールにいる人間に見せれば、皆口をそろえて言うだろう。

「だったら映画を見に来んな」と。

しかしそこはアリサ、ゴーイングマイウェイガールだ。
同じ失敗は重ねない。今度は肘掛けにじわりじわりと侵出する。

(これぞ「侵略すること根の如し」!)

おおよそデート中に吐く台詞……いや、思うことではない。ちなみに誤字にあらず。
程なくアリサの手となのはの手は接触した。後は手を握るだけだ。
だがここに来てアリサの中に躊躇が生まれた。普段から会話したり冗談を言い合ったり叩いたり殴ったりチョークスリーパーをかけたり鳩尾に膝蹴りをたたき込んだりこめかみに上段回し蹴りをかましたりしてはいるが、こと恋愛関係ではバレンタインデーにチョコをあげるのに四苦八苦した彼女である。手を握るのも相当な冒険であることが、今更になって恥ずかしさとなってこみ上げてきたのだった。

(……ど、どうしよ……)

手を繋ごうか、繋ぐまいか、その狭間で進退窮まる。
そんなアリサを、今まで降りかかってきた不幸を埋め合わせるようかのように、大きな幸運が後押しした。

「ふえぁ!!?」

思わず声に出してしまう。
なのはが観賞に夢中になるあまり、アリサの手を握ってきたのだ。それはもう力一杯。
スクリーンを埋め尽くす溶岩のように、アリサの顔は真っ赤に染まった。今ならお湯を沸かすどころが急激な加熱で水蒸気爆発すら可能な勢いだ。

手を握られて数分で映画は終わったが、なのははその後のスタッフロールの間も余韻をかみ締めつつ、アリサの手を握り続けた。
この時ほどスタッフロールに感謝したことはなかったわ、とアリサは後に語る。
スポンサーサイト

0件のコメント

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://kantyou.blog40.fc2.com/tb.php/66-93d47bbf
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

コンテンツ

小説置き場

プロフィール


↑↑↑↑↑↑↑↑
訪問者

館長

Author:館長
住所・東北出身東北住まい。

職業・学生かも知れないし社会人かも知れないしNEETかもしれな(ry

趣味・読書、ネット巡り、雑学収集、アニメ鑑賞等々。

サイト情報・ニュースを紹介、小説を公開など。

最近の記事

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。