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魔法少女ロジカルなのは2-3(中?)

実に微妙な長さ。前編と後編にすると短すぎるかな? とか思いつつ。

――――――――――――――――――――――――――――――


「あー、面白かった」

二人は暗い映画館から春の光が降り注ぐ外に出た。
繋がれた手はもう離れていたが、肌の温もりと感触はアリサの記憶から一生消えそうにない。

「最近のCGは凄いよね。一体どれだけハイスペックなパソコン使ったんだろ?」
「う、うん」
「でもCGに頼りすぎてストーリーがないがしろなのはちょっとね。今回のは楽しかったけど」
「そ、そうだね」

本音を言えば映画の内容はほとんど覚えていないアリサだったが、充実した時間であることに変わりはない。あるいは映画を本気で見るよりも充実していたかもしれなかった。
小さな国なら傾く規模の予算を投入して映画を作り上げた監督さんが草葉の陰で泣いている。

「じゃあねアリサちゃん。今日は誘ってくれてありがとう」
「うん……ええ!!?」

しかしこれ以上ないほど呆けていたアリサも、この一言で一気に目が覚めた。

「もう帰るの!?」
「だってもう映画見終わったし……」

あんまりにあんまりな台詞だ。まさか映画を見てはいさよならとは、なのはの唐変木ぶりもウルトラレベルである。

「それで帰るってあんたどういう神経してるのよ!」
「ご、ごめん」

お怒りごもっともだ。なのはは気圧されて一応謝るが、なぜ自分が怒られているか皆目見当もついていない。そんなことだからアリサの怒りは収まらなかった。
さっきまでの見ているこっちの方が恥ずかしくなるような照れはどこへやら、持ち前のリーダーシップと強引さを遺憾なく発揮してなのはの腕を引く。
暗闇の中で味わったあれほどの葛藤はどこかへ行ってしまったのか、アリサの手は自然になのはの手を掴んでいた。

「とりあえずカフェ行くわよ! そこでこれからどうするか決めるの!」
「わ、アリサちゃんひっぱらないでぇぇぇぇ……」




――――――――――――――――――――――――――――――




一方。

(っく……なのは、一体どれだけ強力なしびれ薬を……)

ユーノは未だ全身のしびれから抜け出せず、月村家のリムジンに揺られながらすずかの膝の上に収まっていた。あの微妙に神経が刺激される痛気持ち悪い感覚はなんとか回復してきたが、それでも瞬きと首をわずかに動かす程度で精一杯だ。拘束魔法ならば解除も得意なユーノも、薬物を使われてはひとたまりもない。
魔法よりも薬物が得意な魔法少じ……少年ってなんだよと不条理を嘆きつつ、

「ユーノ君って毛並みいいよね。撫でてて気持ちいい」
(……ま、これはこれで)

やっぱりユーノはダメだった。

すずかがあごの裏をくすぐったりするので、くるくると鳴き声を出す。これは演技だ、怪しまれないための演技だなんて思いながら、ユーノの顔はどんどんゆるんでいった。
ふと、すずかの綺麗な指先がユーノの目に止まった。それが口元に近づいてくる。伴って、猛烈なある欲望がユーノに襲いかかった。

舐めたい。猛烈に舐めたい。

(ぐ……舌が動かない……)

なのはの親友を汚されまいという思いが、見えない力となったかのようにユーノの前に立ちふさがった。舌につながる神経がとぎれてしまったかのようだ。
だがユーノの意志は固かった。一度やると決めたらやるのが彼の性格なのだ。惜しむらくはその腐りきった方向性である。

(やぁああああってやるよぉお!!!)

ダン○ーガに迫る気合いで、全ての情熱を舌に傾ける。

(動け……動け動け動け動け動け動け!! 動けよぉ!!!)

そしてユーノの舌はその意志を受け取った。変身の魔法によって小さくなったとしても、その舌は確かにユーノだった。否、小さくなることによって意志と欲望は更に凝縮され、味覚の司は淫獣のそれとなる……!!

ペロッ

「あ、舐めた! 可愛い~♪」

すずかはフェレットの外見の裏に潜んだ本性を目の当たりにしても、同じように可憐な笑みを浮かべることができるだろうか。

(ああああああああ! 指、ゆび舐めたぁ!! 舐めた、指、めかりるうぃっしゅ!! ゴォォォォォオオットフィンガァアアアア!!)

なにせこれである。あまりにひどい。あまりのひどさにファンファーレが鳴り響く。
チャラララッチャチャチャー。
ユーノのいんじゅうレベルがアップ! ユーノはいんじゅうレベルが57に上がった!
ふみこえてはいけないラインをこえた! にんげんとしてのレベルが1下がった!

「あの二人、今頃楽しんでるよね」

しばらくフィーバーを続けるユーノとは対照的に、すずかは慈母のような笑みを浮かべてユーノの背中をなで続けた。その穏やかさは、むしろ物憂げですらある。
ユーノも爆進していた精神にブレーキをかけ、やっと動くようになった首ですずかを見上げた。

「アリサちゃんは素直じゃないし、なのはちゃんは朴念仁と唐変木の掛け合わせだし、後ろから押してあげないと。見ててじれったいもん」

すずかの独り言にユーノは同意した。特に後者。

「だから……参戦するにはまだ早いよね」
(え?)

ユーノは耳を疑った。参戦って、一体何に?
ちょっと推測すれば分かりそうなことだったが、ユーノは思考を放棄した。認めたくないことだってあるのだ。某宇宙世紀のマスコットのように連呼したいときだってあるのだ。

そのとき何も捉えていなかったすずかの目線が車の外を向いた。偶然、信号に引っかかり止まっていたリムジンの窓の向こうに、見覚えのある顔があった。

「あれ? あそこにいるの宮本君と佐々木さん……どうしたのかな」

話しかけようとしてパワーウィンドウを下げる。会話も聞こえてきそうな至近距離なのに、二人はすずかに気付かない。宮本君はともかく、佐々木さんとは何度か話したはずなのに。
すずかはすぐ察した。佐々木さんの目には宮本君しか映ってない。
恋する女の子はどこも変わらないな、などと思っている内に、図らずも人混みやエンジン音に紛れて二人の声が耳に入ってきた。

「宮本くん、おめでとう」
「ああ。俺いま、すっげー嬉しい」
「ずっとサッカー練習してたもんね」

まるで見本のような健全スポーツ少年に、見本のような内気少女が言った。

「俺は才能がないからな。その分たくさん練習しないとチームに迷惑かけちゃうし」

謙遜する宮本少年。
それを聞いた少女は面白いくらい必死に首を左右に振る。

「そんなことない! 宮本くんは凄い才能があるよ」
「あはは、ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なんかじゃない……」

少女はすこし逡巡して、うつむき気味にしていた顔を上げた。
その瞳には決意に似た光が宿っている。思いをうち明けようとする少女と、戦場に赴く戦士と、程度は違えど志は同じだ。少女の場合はその程度さえ戦士に迫る物があった。

「あの……」
「ん?」

宮本少年は呑気な物だ。

「その、こ、この後……」
「ちょっと一緒に、来てくれないかな」

少女は必死に告げた。



「あー……ごめん、無理」
「……!」



そして宮本少年は、ことの重大さを全く理解していない反応で少女の誘いを断った。
泣き出しそうになる顔を必死に笑顔で覆う少女も、起こりつつある決定的な変化を理解していない点では変わりない。

「今日の試合、反省して練習しなきゃなんないんだ。ごめんな」
「ううん! 急に誘った私が悪いんだもん」

宮本少年はその後もしきりに謝罪の言葉を口にした。
どれも少女の心の表面を掠るだけだ。

「ところでさ、佐々木さんはなにをするつもりだったんだ?」
「……な、何でもないよ。ちょっとそこの辺りを歩こうかな、って思っただけだから」
「そうか?」
「うん、それだけ」
「ふ~ん」

そこで宮本少年の疑問の種は尽きた。
踵を返した背中に少女はわずかばかり手を伸ばすが、結局触れる寸前で止まってしまう。

「じゃあな、佐々木さん。俺はそろそろいくから」
「……うん。バイバイ」

行き所のなくなった手は振ることによって誤魔化す。
名残惜しげな視線を、背中に浴びせられていることにはやはり気付かない。

「どこでもあんな男の子はいるのかぁ……」
(激しく同感)

一部始終を目撃して大体の流れを把握したすずかは、呆れてため息をついた。
ああいった輩は問答無用で、文字通りぶっ飛ばすのがすずかの流儀なのだが(つい先日、なのはも同刑に処した)、ろくに話もしていない相手も同じに扱う訳にもいかない。
と言ってもまぁ、なんだかんだ言ったところで思い合ってるのだから、どう間違っても落ち着くところに落ち着くのだろう。その途中で寄り道に寄り道を重ねて右往左往し続けるのを見ているのがどうしようもなくじれったいだけだ。

「……ダメダメ、関係ないのに口を出しちゃ失礼だもん」

ただ寄り道はどこまで行っても寄り道。どんなに遅くとも確実に、少しづつ道のりを進んでいく。他人が口を出す問題ではない。すずかはそうやって自分を納得させた。信号が青に変わり、車が動き出す。

それにしても宮本少年の足取りは危うかった。
宮本少年は試合の疲れがここに来てピークに達し、身体がどこまでもしつこく睡眠を要求していた。
注意力は散漫の極みだ。ふらふらふらふら。

宮本少年はこの日、生まれて始めて赤信号の横断歩道を渡った。それはすずかの乗ったリムジンの前に飛び出すことでもある。
そこは街でもバニングス家に並ぶ名家月村家の専属ドライバー。安全速度その他諸々は完璧に押さえている。ブレーキを踏めば悲鳴を上げるのはタイヤだけで、少年にはかすり傷一つ突かないはずであった。

だが横から見ていた少女は?
思いを寄せる少年が今この瞬間、車に轢かれそうになっている。判断力を欠如させるのには十分な要素だった。

「……危ないっ!!!!!」

叫びと共に、願いを叶える宝石が力を解放した。
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