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魔法少年ロジカルなのは2-4(1)

なのはの身体は錐もみ回転しながら地面に叩きつけられた。余力でヒビが入った道路の上を転がり、ビルの壁にぶつかって停止する。
混乱を極めた脳から最初に送られてきた情報は痛みだった。

「あぅっ、ぐぅ……!」

発信源も分からないまま痛みは頭の中を駆けめぐる。落ち着いてくると(それでも全身が痛かったが)、特に右腕からの痛みが酷い。
傷を確認するために目を開けようとしたが、左目の視界に赤いカーテンがかかっていた。仕方なく左目は閉じて再度確認を試みる。

「ん」

肘、二の腕、掌から出血。上手く動かないのは肩を脱臼しているからだろう。左手で触診すると、肘から手首にかかった部分の骨にヒビが入っているのが分かった。
直撃したのはこの部分だろう。なのはもできるだけ衝撃は軽減させたつもりだったが、それでもこの被害だ。
肩を掴み上げて骨を元の位置に戻しながら、なのはは振り返った。ビルを取り込みながら、尋常ではない大きさの木が刻々とその身体を生長させていた。ここはB級ファンタジー映画の中かと突っ込みたくなってくる。

「なんで後ろから……」

怪我は大した問題ではない。これくらいの怪我は兄との特訓で慣れているし、すずかの攻撃に耐えきった身体だ。
しかしあそこには……

(なのは、大丈夫!?)

慌てたユーノの念が思考に入ってくる。当事者のなのはは冷静に辺りを観察して返答した。

「……あんまり。だけど周りはもっと大丈夫じゃないみたい。一体何が起こったの?」
(信じられないけど……ジュエルシードがもう一つ発動した)
「そんなことって……」

驚きながらもある程度感ずいていたなのはであった。これほどの非常識、原因と考えられるのはジュエルシードくらいの物だ。すぐそばでうり二つの現象が起こっているのもあって誰でもたどり着くであろう答えである。
だがジュエルシードはそう大量にある物ではないのだ。この広い街に散らばっている以上、こんな小範囲に二つ存在することなどあるのだろうかという疑問が払えていなかった。

(あるはずはないけど、あり得ることだよ。ジュエルシードが複数ある以上、可能性はゼロじゃない)
「それもそうだ……けどっ!!」

アスファルトが盛り上がった。ヒビの中から木の根がのぞく。少しも落ち着けない。爆発的な生長はそれだけで殺人的な威力を持っており、なのはが飛び退くと同時にアスファルトを突き破る。
飛び出してきた根は瞬く間に手近にあった街灯に巻き付き覆い隠した。

「さっきより勢いが激しくなってる!」
(もう一つのジュエルシードに相互反応してるのか……早く封印しないと取り返しの付かないことになる!!)
「そんなこと言ったって、どっちを先に封印すればいいの!? こっちはアリサちゃん、そっちはすずかちゃんを巻き込んでるのに……」

どちらが大事とか、そんな問題ではない。どちらも選ぶことなどできないのだ。
これが二人とユーノ君だったら迷わずユーノ君を切り捨てるのに!
なのはは嘆いた。
その時ユーノが言う。

(落ち着いてなのは! そっちのジュエルシードの位置を探すんだ!)

ユーのごときの命令に従うのは菜の葉のプライドを痛く傷つける行為だったが、この方面では悔しいがユーの野方が知識は上だ。つまらないプライドにこだわっている場合でもない。なのははすぐに言われたとおり捜索を始める。
物理的な視覚に頼っても効率が悪い。なのはもいい加減魔力を感覚的に理解できるようになっていた。ましてジュエルシードの魔力は常軌を逸している。
表面に根を張られたビルとビルの狭間から見える大樹の幹にそれはあった。

(あれかな)

人が数十人手をつないでも囲みきれないような太い幹の中から、強い青色の光が漏れている。残った目を凝らすと、その光の中にアリサの姿があった。

「見つけた! アリサちゃんと一緒みたいだ!」
(今回の媒体は彼女なのか……)
「早く助けないと!」
(待つんだなのは! 媒体になっているってことは、少なくとも彼女自身に危険はない。こっちは大規模結界を張って時間を稼いでるけど、消費が大きいから五分以上は保たない! こっちを先に片付けたほうが合理的だ!)

一見自己中心的にも見えるユーノの意見は、冷静に考えれば当然のことだった。
今アリサがいる場所はいわば台風の目であり、なまじ離れたところにいるよりも安全だ。
感情がなのはを納得させない。しかしその迷いはすぐに断ち切られた。感情的になって結局被害を拡大させるのは馬鹿がすることだ。小学三年生程度の年齢ならばそれが当然であるのだが、なのはは若さを言い訳にするつもりはなかった。
リリカルを切り捨ててロジカルに。戦いでは常に、感情を捨てることが最高の結果を導き出す。

「っ……わかった!」
(だけど木を生長させすぎるとこっちがどんどん不利になるから気をつけて!)
「だったら急げばいい!!!」

叫んだ勢いのままなのはは変身した。相変わらず太ももがスースーする感覚が好きなれない。だが文句を言うのは後にした。今は一分一秒でも惜しい。

「ユーノ君、今の状況に適する魔法は!?」
(木の生長が早すぎて接近は危険だ! 遠距離からの封印ができれば……)
「どうすれば使えるの!!?」
(レイジングハートをシューティングモードに変形させれば魔法の射程は伸びるけど、操作は難しくなる)

さらに詳細をたずねようとして、止めた。覚えてもいないことが頭の中に次々と流れ込んできたからだ。シューティングモードの効果、長所、短所、その他もろもろ。知識の面で術者をサポートするのもレイジングハートの機能だった。
シューティングモード。デフォルト状態と比較して、魔法の威力、射程を増加させる。指向性の操作も可能。短所としてスピードの低下、消費魔力の増加などが挙げられる。
そんな声とも文字ともつかない情報の大方を把握する。

「スナイパーライフルみたいなものだね。とにかくやってみる!」

ならば次にやることは射撃地点の確保だった。巨木が呼んで字の如く土木工事を進行中の道路では足場が不安定で安心できない。林立するビルも射線を隠してしまうだろう。
自然になのはの視線はビルの上部に向かった。

「できれば高いところに移動したいけど……魔法で飛べるかな?」
(難しい魔法じゃないから多分できるはずだ。足の底から飛ぶ力が出てるみたいに想像して!)

言われたとおり実行すると足首からピンク色の光が、翼の形となって現れた。
自分の身体を持ち上げる力が働くのが感じられる。もちろんこんな魔法は初体験のなのはは転びそうになってしまう。

「うわわわわ、おととと! バ、バランスが難しいね」
(慣れれば大丈夫だよ! さあ早くビルの上に!)
「うん!」

しかしそこはスケートを始めて五時間でワンスピンをマスターしたなのはであった。持ち前のバランス感覚と運動センスは経験の無さを補ってあまりある。
ビルの屋上を目指して飛び上がると、飛び越えてしまいそうになり減速、ゆっくりと着地した。


――――――――――――――――――――――――――――――

「って短っ!?」
「ちょくちょく小出しにするみたいだね」
「ああ、一気にやると次の日のネタが困るからね」
卑怯っぽくてかんちょーさんらしいね~♪
「……なのは、言わないでおいてあげよう」
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